リンク

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お悩みの解決やカウンセリングに関連するウェブサイトのリンク集です。どうぞご活用ください。

 


日本臨床心理士会

日本臨床心理士会のホームページです。「市民向け活動」も行っているようです。民間資格の臨床心理士は、2019年に国家資格の公認心理師登録者が誕生するまで、数ある心理カウンセリングの資格の中では社会的信用が大きかったと言えるのかもしれません。


日本公認心理師協会

日本公認心理師協会のホームページです。心理カウンセリングの国家資格が誕生しました。第一回の試験は2018年9月に行われたのですが、震災とブラックアウトのために北海道だけ延期となり、2018年12月に追加試験が実施されました。私たち心理臨床家にとっては、長年のあいだ待ちに待った待望の国家資格です。カウンセリングを受ける相談者の方々も、公認心理師法とそれに関連するいくつかの法律によって保護されることになります。


 

 リンクするこころ

リンクとは、インターネット上のウェブサイトを関連づけて参照するハイパーリンクのことで、通常は「リンクを貼る」のように使われます。広い意味では、人や物や出来事を結び付けるもののことを言います。ここではリンクという言葉を使って、心理学的なお話をしようと思います。

人間のこころをひとつの心理システムとして捉えて、それは互いにリンクされた思考・感情・行動の全体なのだ、とする考え方があります。人間はあるときは冷静モードに、またあるときは動揺モードになったりして、状況によって変化するものですが、その変化は、この考えでは思考や感情のリンクの仕方が変化することを意味しています。

思考と感情のリンクで考えてみましょう。人間は感情的にならないで落ちついているとき、冷静に、論理的に考えることができます。この場合、心理システムは、思考が優位になって感情が適度にコントロールされている状態にあります。冷静モードです。しかし、何か気持ちが動揺する出来事があったり、苦痛な記憶を思い出したときには、思考と感情のリンクの仕方が変化して両者の関係が逆転してしまいます。これが動揺モードです。もはや冷静に考えることはできなくなり、感情に振り回された否定的な考えが次々と現れては消えていくような苦痛な状態に陥ってしまいます。そこには、思考よりも感情が過度に優位になるリンクが存在しています。

行動と感情と思考のリンクで考えてみましょう。感情に駆り立てられた行動を想像してください。なんだか好きになれない、嫌だなという気持ちになってしまうような相手はいませんか?そのような相手に対しては、つい避けるようにふるまったり、冷たい言葉を口にしてしまったりするはずです。極端な怒りである激怒だと、もう冷静な思考はフリーズして怒りがあらわになり、怒号を発するような行動に至るはずです。このようなとき、思考と感情のリンクは後者が優位になって前者を支配下に置きます。さらに、普段は行動を冷静にコントロールしているはずの思考が麻痺してしまい、思考よりも自己中心的な行動が優位になったリンクが形成されることになります。

姿勢または身体の視点から考えてみましょう。人間の身体と感情と思考もまた密接にリンクしています。たとえば、不安になったり、気持ちが沈んで抑うつ的な気分になっているときには、肩をすぼめて、うつむいたり、前かがみの姿勢になったりするはずです。胸のあたりにはモヤモヤした不快な身体感覚があるかもしれませんし、頭の中にはあれやこれやの考えや記憶が去来して反芻思考に没頭することになるかもしれません。収縮した姿勢は、抑うつ的な気分の原因であり結果でもあるという循環関係がそこにはあるようです。そして、コントロール不能の思考も、姿勢と気分の悪循環のサイクルにリンクしているように見受けられます。

ここからはカウンセリングについてです。思考は認知と言い換えることができます。認知行動療法のひとつである認知療法は、認知と感情のリンクを想定して、認知に働きかけることによって気分や感情をコントロールしようとするカウンセリングのひとつの立場です。この立場では、抑うつ的な気分や不安な感情が、自動思考などの否定的な認知によって引き起こされると考えられています。その結果が、不安障害やうつ病の状態です。認知療法は、このような相談者の認知に働きかけることによって感情調整をはかろうとするのです。

また、認知と行動のリンクを想定して、前者によって後者をコントロールするように働きかける認知行動療法のひとつに、セルフインストラクション・自己教示法があります。この方法は、相談者のセルフトークつまり独り言を積極的に活用して、問題が認められる行動を修正しようとするものです。具体的には、頭の中で自分自身に話しかけて、一定の行動を形成していくので、一種のセルフケアと理解できるかもしれません。

認知行動療法は、全体として、感情や行動の意識による認知的コントロールを目指すアプローチであると思います。意外と思われる方もいるかもしれませんが、古典的なタイプの力動的な深層心理学も、その意味では似ているのかもしれません。というのは、意識的な自我を強化して、無意識的なエスの欲動をコントロールすることが重視されるからです。そこにある理想的な人間像は、自律的な人間、意識的な人間、自覚的な人間であるのかもしれません。

私たちの科学は、過酷な自然をコントロールしてそこから人間を解放するために発展してきましたが、その反面、世界規模の自然破壊を生み出してしまったことも事実です。もしかすると、心の自然にも同じことが言えるのかもしれません。理性的な現代人であること、つまり意識的に自分をコントロールできることが強調されすぎて、私たちの心の自然も破壊されつつあるように思われるのです。コントロールすることをいったん棚上げして、あるがままの心の自然に身を委ねるような心理相談の方法としては、最近になって流行の兆しを見せているマインドフルネス認知療法をあげることができるでしょう。そしてユング心理学も、心の自然を破壊することなく、その自然によって私たちが生かされていることを知ることができる、古くからあるアプローチのひとつであるように思います。

私たちは心の自然にリンクしながら生きています。リンクの仕方は人間一人ひとり違っています。その違いが個性を生み出しているのかもしれません。心の自然にリンクしながら、過度にコントロールしようとしてそれを破壊することなく、むしろ自分が心の自然によって生かされていることを実感しながら生きる、そんな生き方ができたらよいのにと思います。

ここでは、一人の人間の心を形作っているリンクについてお話しするだけで、人と人との間をつなぐリンクについては触れることができませんでした。この点については、今後このウェブサイトのどこかでお話させていただこうと思います。

参考文献
ジグムント・フロイト「自我とエス」(フロイト全集18) 岩波書店
ドナルド・マイケンバウム『認知行動療法―心理療法の新しい展開』同朋舎出版
アーロン・ベック『認知療法―精神療法の新しい発展』岩崎学術出版社
ジョン・ティーズデールほか『マインドフルネス認知療法ワークブック』北大路書房
カール・G・ユング『心理療法の実践』みすず書房

 


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