全国のカウンセリングルーム探訪

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はじめに

北海道はもちろんのこと、日本全国にさまざまなカウンセリングルームが存在しています。このサイトを立ち上げる際にネットサーフィンをして数多くのホームページを発見し、その情報を生かしながら、少しずつサイトの構成を行っていきました。サイトに記載すべき情報は何か、カウンセリングを希望する相談者にとって役に立つ情報は何なのかなど、いろいろなことを考えてこのサイトの原型が完成しました。

多くのウェブサイトを拝見して気づいたことがあります。それは、それぞれのカウンセリングルームには独特の個性があるということです。ホームページの作り方だけでなく、書かれている文章の端々から、カウンセラーたちの個性がにじみ出てくるかのようでした。

この記事では、「全国のカウンセリングルーム探訪」と題して、そのような個性のあるカウンセリングルームを紹介していこうと思います。すぐ下の「もくじ」に、紹介するサイトを順次つけ足していくつもりです。ご紹介の記事は、そこに書かれているサイト名をクリックすると読むことができます。

もくじ

心理士・心理師を発見するサイト(茨城県守谷市)

スカイ&リーフ カウンセリング(神奈川県横浜市)

北海道のカウンセリングルーム

チャームポイントLab.(愛知県名古屋市)

カウンセリングオフィス心葉(静岡県静岡市)

はこにわサロン東京(東京都港区)

幸朋カウンセリングルーム(大阪府大阪市)

以下更新予定です。


紹介サイトの選択基準

紹介するカウンセリングルームを選ぶにあたって、一応基準のようなものを作ってみました。こちらが勝手に紹介するわけですから基準など無用なのかもしれませんが、どうぞ参考にしてください。それから、勝手に紹介すると言っても先方の許可は不可欠です。いったんアップされた記事がある日突然削除されていたとしたら、先方から削除依頼があったか、紹介したサイトが消えてなくなってしまったか、その他の理由によるものとご理解ください。どうぞよろしくお願いいたします。


1.個人的かつ主観的な感覚で、とにかく紹介したいと感じたサイトを優先する。

2.個人か少人数で運営している。

3.公認心理師の有資格者が代表を務めている。

4.カウンセリング上のオリエンテーションは問わない。

5.カウンセリングルームを紹介する良質なディレクトリも含める。

6.知り合いや業務を提携しているカウンセリングルームは除外する。

基準の2と3について少しだけ説明しておきましょう。まず、個人か少人数で運営されているカウンセリングルームを紹介するつもりです。そのため、法人組織や、個人事業であったとしても規模の大きなところは除外します。トポス心理療法オフィス自体がいま現在カウンセラー1人によって運営されていますので、同じような私設心理相談室に親近感を感じるのです。ただそれだけの理由です。

もうひとつ、公認心理師の有資格者が代表を務めているオフィスに限ることについてです。この国家資格は2019年から登録が始まりました。おそらく臨床心理士の有資格者は、ほとんどこの試験に合格して登録を済ませているものと推測しています。時代の流れとしては、今後はやはり国家資格としての公認心理師の有資格者であることがクライエントの方々にとって重要になっていくはずです。サービスを利用するユーザーに対して、心理的支援を行う心理カウンセラーが一定水準の技量を備えていることを示す証として、公認心理師であることを基準とするのは理にかなっているように思われます。そのようなわけで、今回の選択基準に取り入れたのです。

事業形態の多様性

全国的に見渡すと、カウンセリングルームの事業形態はとても多様です。一番件数が多いように見えるのは、やはりカウンセラーが一人で運営している相談室です。あくまで印象ですが、男性よりも女性が多いようです。二人、あるいは少人数で運営しているところもあります。ご夫婦で運営していたり、気心の知れた仲間(おそらく)で共同経営していたりします。

ここで紹介するのは公認心理師の相談室ですから、厳密にいうと取り上げるべきではないのかもしれませんが、全国的には精神科医が薬の処方をせずにもっぱら精神療法を提供している相談室?がわずかながら存在しています。

運営は一人で行っていても、少し規模を大きくして非常勤カウンセラーを何人も雇用しているところもあります。こうなると、会社組織を旗揚げする一歩前の事業形態として理解されるでしょう。来談者が多い、恵まれた心理相談室であれば可能であると思います。

法人にして運営されているカウンセリングルームもあります。もうこの規模になると複数のカウンセラーやその他の社員が常勤で勤務していますから、もはや私設心理相談室の範疇を超えることになります。法人の相談室を見渡してみると、企業を対象としたEAPに関与しているところが少なくない印象を受けます。社員のストレスチェックやカウンセリングをパッケージで請け負うわけです。

医療法人がカウンセリングルームを併設して運営しているところもあります。一見すると2~3人のカウンセラーが運営する相談室のように見えるのですが、実は医療法人の傘下で経営されていて、カウンセラーたちは相談室とクリニックを兼務するようなかたちで雇用されているようです。

料金の多様性

無料のカウンセリングルームが存在しています。ただ、これは大学の教員などが研究を目的として開設しているもので、極めて特殊な相談室であると言わざるを得ません。このような相談室を除けば、すべては有料であると考えるのが自然です。

本当にカウンセリングの料金は多様です。全国には実にさまざまな料金体系が存在しています。一般的には都市部の方が地方よりも高額であるような印象を受けるのですが、カウンセリングルーム自体が都市部に集中しているというのも確かに言えることであると思います。

公認心理師ではありませんでしたが、これまでにネット上で発見したカウンセリングの最低額が2000円、最高額が30000円でした。1回約1時間のセッションです。カウンセリングの内容といいますか、メニューによってかなり料金の幅があるような気がします。対象が、個人か、カップルや家族か、企業か、という違いにもよります。

2019年現在、東京都内では、1回約1時間のセッションで10000円くらいが相場のように思われます。これはあくまで、多くのウェブサイトを拝見して受けた印象です。その他の都道府県の県庁所在地に開設されたカウンセリングルームだと、6000円から10000円のあいだで料金を設定しているところが少なくないように思われます。

どのカウンセラーもクライエントのために料金を抑えたいところでしょうが、なにしろこちら側にも経営的な意味での金額のリミットがあります。難しいところです。NPO法人にしている相談室では、外部から寄付金を募って経営を補うことによって、料金を低めに設定しているところもあるようです。

オリエンテーションの多様性

カウンセリングの流派や技法は多種多様です。クライエントの方にしてみると、いろいろなカウンセリングルームのウェブサイトを見るとやはりいろいろな技法のことが書かれていて、一体どのカウンセラーのところへ行こうかと途方に暮れてしまうのかもしれません。熱心にセラピーのことを勉強している相談者の方もいますから、そのような方にとってはすぐに判断のつく問題なのでしょう。しかし、多くの相談者はどこにしようかと、なかなか選択できないかもしれません。

来談者中心療法、認知行動療法、精神分析療法、フォーカシング、ゲシュタルト療法、スキーマ療法、マインドフルネス、交流分析、アサーション、NLP、ヒプノセラピー、ハコミセラピー、ブリーフセラピー、家族療法、イメージ療法、論理情動療法、分析心理学、アドラー心理学、ソーシャルスキルトレーニング、リラクゼーション、etc.

こんな感じでズラリと並んでいるわけです。相談者にしてみると、きっと目が回ることでしょう。10数種類にのぼる技法を駆使するかのような表記をしているウェブサイトを見かけたこともあります。

これはまったく主観的な印象ですが、10年以上の、ある程度の臨床経験があり、なおかつ公認心理師の有資格者が運営しているカウンセリングルームは、一つのオリエンテーションを基本としながら、そこにいくつかその他の流派で使われる技法を追加するかたちで、折衷的に心理的支援を行っているところが大半のような気がしています。あくまでウェブサイトの記載を拝見しただけの印象なのですが。自分に合ったオリエンテーションとその他の若干の技法の折衷、これが多くの開業公認心理師たちの特徴ではないでしょうか。ですから、上述のように、これでもかと言わんばかりに文字を羅列するようなカウンセリングルームは、公認心理師が代表を務める私設心理相談室ではむしろ稀ではないかと思うようになったのです。

エビデンスを背景として、世界的には認知行動療法が拡大しつつあります。しかし、日本に存在している臨床心理学系の学会から判断すると、認知行動療法はもちろんですが、精神分析やユング心理学などの深層心理学系、ヒューマニスティックな人間性心理学系、家族療法・ブリーフサイコセラピー系など、さまざまな立場の臨床家や研究者がいることは事実です。開業カウンセラーたちも、このように実に多様なオリエンテーションをもっているのです。

カウンセラーの個性

この「全国のカウンセリングルーム探訪」では決してお伝えできないことがあります。それは個々のカウンセラーの生き生きとした触感、つまり肌で感じる個性です。こればかりは実際に会ってみなければ分からないでしょう。相談者の皆様にとっては、実際にカウンセラーと対面してみて肌で感じる生き生きとした個性こそが大切なのだと思います。人と人との相性に関わる部分です。カウンセラーとの馬が合ったり合わなかったりすることが、カウンセリングを継続する上で重要な判断材料になるはずですから、相談者にとってはこれこそが一番知りたいことなのかもしれません。

分析心理学のユングも、カウンセラー(精神分析医)としての立場から同じことを言っています(高橋義孝訳『無意識の心理』人文書院)。

「ある医師には扱いやすいケースが、別の医師にはどうもうまく扱いかねるというようなことがあるのである。言うまでもなく、医師と患者との間がしっくりいくか行かないかということは、治療上実に大切なことなのだ。短期間のうちに医師と患者との間にある程度親密な関係が結ばれないようだったら、患者は医師を取り換えた方がいいのである。私はこれまで、この患者の性質は自分には向かないかなと思ったり、不愉快だと思ったりすると、躊躇することなく、ほかの同業者へ差し向けるようにしてきた。それも私のためではなく、患者のためを思ってのことである。そんな場合はやってみたところで大した成績のあがらないことが分かっているからである。誰にだってそれぞれ限界というものがあるし、殊に精神病医は自分の限界というものを絶対に忘れないようにしていることが望ましいのだ。あまりにも個人的な相違が大きかったり、ないしは馬が合わなかったりすると、それ自体決して間違ってはいないところの、異常な、無用の抵抗を患者の側に生ぜしめるものである」

いかがでしょうか。少し長い引用になりましたが、カウンセリングの黎明期、最初期に、すでにユングがこんなところに着目していたことは驚かざるを得ません。

というわけで、このカウンセリングルーム探訪を読んでも、自分とカウンセラーとの相性までは分かるはずもありません。百聞は一見にしかずという言葉があります。カウンセリングもまさにそうです。ここに書かれている記事を読んで興味を持ったカウンセリングルームには、実際に足を運んでみるのが一番良いと思います。行ってみてピンと来なければ別のところを探す、そのくらいの気持ちでいるのがよいでしょう。この「全国のカウンセリングルーム探訪」は、ぜひそのような読み方をしてください。

おわりに

このページは「全国のカウンセリングルーム探訪」のいわば総論にあたる部分です。各論にあたるカウンセリングルームの紹介は、このページの冒頭部分にある目次からリンクされている、それぞれのページをぜひご覧ください。

年号が平成から令和に変わりました。われわれが生きる世界も、臨床心理士の時代から公認心理師の時代に移り変わろうとしています。この激動の時代に私設心理相談室を開業して運営していくのは、とても大変なことであると思います。お互いに時代の流れを読み取って、クライエントの皆様に質の高いカウンセリング・サービスを提供しつつ、安定したカウンセリングルームの運営を続けていきたいものです。

最後に、ここで紹介する全国のカウンセリングルームに関して、そのひとつひとつのオフィスが提供するサービスの内容に関して、トポス心理療法オフィスは一切関知しておりません。紹介している私設心理相談室をご利用する予定のクライエントの皆様は、カウンセリングの内容その他に関しては直接先方に問合せして確認するようにしてください。よろしくお願いいたします。


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2019年06月27日